●存続の決まったニイウスコーが証券界から注目を集める理由
NO.588   2007.11.15
 売上高は603億9000万円(07年6月期)で前期比21.8%減。経常損失は5億5400万円(同)にとどまったものの、医療サービスビジネスからの撤退による損失や事業再編に伴う損失、減損会計適用による減損損失などの多額の特別運用損失により、当期損失は302億6600万円(同)にも達し、40億8200万円の債務超過となって、東証一部から同二部に転落、この一年の株価はつるべ落としで、今年1月の7万8900円を最高値に、11月14日の終値は5000円を切っている。
 事業の失敗、撤退と縮小、債務超過への転落と、市場替えに投資家が見放した株価……。この三重苦、四重苦に直面、当事者能力を失ってしまったのがUNIXを使ったシステムソリューション、システムエンジニアサービス、システムサポートなどを手がけるニイウスコー(本社・東京都中央区)である。それなりの事業規模を見ればわかるように、財務に手が回らないという新興市場のベンチャー企業というのではない。
 設立こそ1992年と新しいものの、クライアントサーバーシステムに関する各種システム開発と販売を目的に、日本IBMと野村総合研究所の金融システム部門が中心となって設立、それだけにスタッフは充実、順調な滑り出しを見せ、2002年4月には東証二部に上場、翌年一部に昇格した。
 この時から06年6月までは、見事な増収増益である。業績の変化は以下の通り(カッコ内は経常利益)。
・ 02年6月 375億2900万円(16億4000万円)
・ 03年6月 504億9200万円(25億900万円)
・ 04年6月 788億800万円(40億5100万円)
・ 05年6月 789億800万円(59億3100万円)
・ 06年6月 771億8000万円(56億8200万円)
 こんな「右肩上がり」の凄い会社が、なぜわずか1年で債務超過に転落するのか。証券アナリストは、新サービスの立ち上がりの遅れ、新プロジェクトのずれ込み、医療サービスビジネスの未達と撤退等を原因としているが、この業績の急変は信じがたい。
 そこで次のような観測が、証券界に流れているのである。
「債務超過への転落には別の要素があるのではないか。いかにニチウスコーに実力があったとしても、システムソリューションの会社で、あれだけの増収増益を続けるために、相当な“無理”をしたに違いない。関連6社でニイウスグループを形成しているが、仕事を投げ合うことも多いと聞いた。そのあたりのウミが一気に出た感じもする」(証券幹部)
 通常なら、経営破たんは免れないが、ニイウスコーにはファンドが救世主としてやってきた。ニイウスコーは10月末払い込みで第三者割当増資を実施、普通株式、A種優先株式、B種優先株式で約212億円を調達している。引き受けたのは、独立系事業支援会社のロングリーチグループと同じく独立系のフェニックス・キャピタルが、それぞれ組成したファンドである。
 この増資を機に、代表取締役会長兼社長の末貞郁夫氏を始め全役員が責任を取って退任した。代わって代表取締役社長には、筆頭株主である野村総合研究所出身の大野健氏が就任、再建を指揮、他の役員はファンドが送り込んだ。
 全役員に責任を取らせる厳しい姿勢は評価できるが、気になるのは「退任が免罪」ではないことだ。増収増益企業の一年での転落の背景に何があったのか。その解明をしなければ、20分の1の“紙切れ”となった株券を持たされている株主は、決して納得できないだろう。





NO.588   2007.11.15

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NO.587   2007.11.1

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NO.586   2007.10.15

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NO.585   2007.10.1

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